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士業のホームページ原稿の書き方は?ページ別の型と、AIで下書きしても事務所が自分で書くべき3か所

士業のホームページ原稿の書き方は?ページ別の型と、AIで下書きしても事務所が自分で書くべき3か所

ホームページ原稿の書き方が分からず、制作会社から届いた「原稿のご準備をお願いします」というメールを何週間も開けずにいる。士業の先生から、こうしたご相談をいただくことがあります。デザインの打合せは楽しく進んだのに、文章の段階で手が止まる。生成AIに頼めば数分で埋まりそうだが、それで本当に依頼が来るのか、法令や会の規程に触れないかが気になる。そんな状態です。

結論から書きます。原稿はページごとに「読者がそのページで確かめたいこと」を先に決め、その答えを事実として並べる作業です。文章力の問題ではありません。AIは構成づくりと下書きには十分使えますが、取扱業務の線引き、料金、代表の言葉の3か所は事務所が自分で書く必要があります。この3か所をAIに埋めさせたサイトは、どの事務所のものか見分けがつかなくなるからです。

当事務所は不動産鑑定業を営みながら、自社のサイト群の原稿をAIと分担して書いてきました。この記事では、私たち鑑定士がページ別の原稿の型、AIで下書きする手順と確認の仕方、原稿にかかる時間の試算までを整理します。

ホームページ原稿の書き方は「ページの役割」を決めることから始まる

原稿が止まる原因は文章力ではなく、問いが決まっていないこと

白紙の画面に向かって「事務所の紹介文を書こう」と考えると、たいてい「お客様に寄り添い」「誠実に対応いたします」といった一文で止まります。書き手が悪いのではありません。誰の、どんな疑問に答えるページかが決まっていないので、書く材料が出てこないのです。

逆に「相続した土地の価格で兄弟ともめている人が、このページで何を確かめたいか」と問いを置くと、書くべきことはおのずと出てきます。どんな場面で依頼できるのか、費用はどのくらいか、期間はどれくらいか、他の専門家とどう分担するのか。原稿はこの問いへの答えを並べたものです。

1ページ1つの問いに絞る

士業サイトでよくある失敗は、1ページにすべてを詰め込むことです。トップページに業務内容・料金・経歴・事務所の理念を全部並べると、読者はどこで判断すればよいか分からなくなります。ページごとに答える問いを1つに絞ると、原稿の分量も自然に決まります。

ページ読者が確かめたいこと目安の分量
トップ自分の困りごとを扱う事務所か600〜800字
業務ページ自分の場面で何をしてもらえるか1業務1,200〜1,800字
料金・依頼の流れいくらで、何日かかり、何を準備するか各600〜1,000字
事務所案内・代表依頼して大丈夫な相手か800〜1,200字

分量はあくまで目安です。短すぎると判断材料が足りず、長すぎると要点が埋もれます。迷ったら「この段落を削ったら、読者は何を判断できなくなるか」を自問してください。答えられない段落は削ってかまいません。

ホームページ原稿のページ別テンプレート

業務ページは「場面→できること→できないこと→進め方」

最も問い合わせに効くのが業務ページです。次の順で見出しを立て、各見出しに2〜4文ずつ書けば、1,500字前後の原稿になります。

  1. こんな場面でご相談ください(具体的な場面を3つ程度)
  2. 当事務所でできること(成果物と、それが何に使えるか)
  3. 当事務所では扱わないこと・他の専門家との分担
  4. ご依頼から納品までの流れと期間の目安
  5. 料金の目安と、料金が変わる条件

3番目の「扱わないこと」を書く事務所は多くありません。しかし読者にとっては、ここが最も信頼につながる情報です。たとえば当事務所の場合、相続税の申告は税理士の業務、遺産分割の交渉は弁護士の業務であり、鑑定士が担うのは不動産の価格の根拠づけだと明記しています。線引きを書くと、依頼者は「この事務所に頼んでよい範囲」を正確に理解できます。

料金ページは「金額」より「変わる条件」を書く

料金ページで読者が知りたいのは、自分の場合にいくらになるかです。一律の金額が出せない業務でも、「何によって金額が変わるか」は書けます。物件の数、資料の揃い具合、急ぎかどうか、といった条件を並べるだけで、問い合わせ前の不安はかなり減ります。

ここは、景品表示法が禁じる有利誤認表示(実際より著しく有利だと誤認させる料金表示。同法第5条第2号)にも関わる部分です。「〇万円〜」と書くなら、その金額で受けられる条件を必ず併記してください。

トップと事務所案内は最後に書く

意外に思われるかもしれませんが、トップページの原稿は最後に書くのが効率的です。業務ページと料金ページを書き終えると、事務所が誰に何を提供しているかが文字で固まり、トップはその要約で済みます。最初にトップから書こうとすると、抽象的な理念の文章になりがちです。

代表のプロフィールの書き方は士業のプロフィールページは何を書けば信頼されるかで詳しく扱っているので、ここでは省きます。広告規程で避けるべき表現もそちらにまとめています。

AIで原稿を下書きする手順

先に「取材メモ」を作り、AIには材料を渡す

AIに「不動産鑑定事務所のホームページの業務ページを書いて」とだけ頼むと、どの事務所にも当てはまる文章が返ってきます。AIは事務所の事実を知らないので、一般論で埋めるしかないからです。

そこで当事務所では先に箇条書きの取材メモを作り、それをAIに渡しています。メモに書くのは次のような事実です。

  • 実際に受けた相談の場面(個人が特定されない形に抽象化したもの)
  • 成果物の名称と、依頼者がそれを何に使ったか
  • 扱わない業務と、紹介先の専門家の種類
  • 標準的な期間と、遅れる典型的な理由
  • 料金表の金額と、加算が生じる条件

メモは文章になっていなくてかまいません。AIの役割はこの材料を読者向けの順番と言葉に組み替えることです。頼み方の基本はプロンプトの書き方は仕事でどう変わる?で整理しています。

下書きの確認は「事実・用語・表現」の3段で行う

AIの下書きはそのまま公開せず、3段階で確認します。

  • 事実:取材メモにない数字・事例・制度名が紛れ込んでいないか。AIはもっともらしい誤り(ハルシネーション)を書くことがあります
  • 用語:業界の正式な用語になっているか。鑑定業なら「鑑定評価書」と「価格等調査報告書」を混同していないか、「査定」と書いていないか
  • 表現:「地域No.1」「必ず解決」のような最大級・断定の表現が入っていないか

用語の確認は士業ほど重要です。不動産鑑定士の場合、国土交通省の「不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドライン」により、不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価と、それ以外の価格等調査は区別して扱うこととされています。AIはこの区別を知らないことが多く、両者を「鑑定」とひとくくりにした文章を平気で書きます。業界の言葉を正しく使えているかは、資格者にしか確認できない部分です。

著作権とGoogleの評価についての基本的な考え方

AIで書いた原稿について、よく聞かれるのが2つの心配です。

1つ目は著作権です。文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(文化審議会著作権分科会法制度小委員会、2024年3月)は、AIの生成物が既存の著作物の権利を侵害するかどうかは、人が書いた場合と同様に、既存の作品との類似性と依拠性で判断するという考え方を示しています。他事務所のサイトの文章をAIに貼り付けて「これを参考に書き直して」と頼む使い方は避けてください。自分の取材メモから書かせる限り、このリスクは小さくなります。個別の判断は弁護士にご確認ください。

2つ目は検索での評価です。Googleは検索セントラルのブログ(2023年2月)で、コンテンツの作り方ではなく品質を評価すると説明しています。一方で、利用者にとっての価値を加えないまま生成AIで大量のページを作ることは、スパムポリシーに違反する可能性があるとも明記しています(Google検索セントラル「ウェブサイトで生成AIによるコンテンツを使用するためのGoogle検索のガイダンス」)。要するに、AIを使ったかどうかではなく、事務所固有の事実が入っているかが問われます。

事務所が自分で書くべき3か所

1. 取扱業務の線引き

どの業務を受け、どの業務を受けないか。これは事務所の経営判断そのもので、AIには決められません。AIに任せると、受けていない業務まで「対応可能」と書き込まれることがあります。士業はそれぞれ業務範囲が法律で定められているため、ここを誤ると他資格の業務を扱うかのような表示になりかねません。

2. 料金と、料金が変わる条件

料金はAIが最も間違えやすい情報です。一般的な相場らしき金額を作り出すことがあるため、料金に関する文章は必ず事務所の料金表から書き写してください。AIの文章に数字が出てきたら、すべて料金表と1つずつ突き合わせます。

3. 代表の言葉

なぜこの分野を扱っているのか、どんな依頼者の役に立ちたいのか。代表の言葉は、短くても本人が書いた方が伝わります。AIに整えてもらうのは誤字や語順までにとどめ、言い回しは残してください。読者は「この人に頼んでよいか」を、上手な文章ではなく本人らしさで判断します。

自力とAI分担で比べる原稿の所要時間

想定するサイトの規模

業務ページ4本を持つ、10ページ程度の事務所サイトを想定します。前の表の目安で分量を積み上げると、次のとおりです。

  • トップ:800字
  • 業務ページ:1,500字×4本=6,000字
  • 料金・依頼の流れ:800字×2ページ=1,600字
  • 事務所案内・代表:1,200字
  • 合計:9,600字(約1万字)

所要時間の試算

自力で書く場合、構成を考えながら1,000字を書くのに1時間、推敲に30分かかると仮定すると、1万字で約15時間です。日中は本業があるため、週に2時間しか割けなければ、原稿だけで2か月近くかかります。

AIと分担する場合は、次のように仮定します。

工程作業内容時間
取材メモページごとに箇条書きで事実を書く3時間
下書きAIに構成と下書きを作らせる1時間
確認・加筆事実・用語・表現の3段確認(1,000字20分)3.5時間
自分で書く3か所線引き・料金・代表の言葉1.5時間

合計は約9時間で、自力の15時間より6時間ほど短くなります。ただし、短くなるのは文章を組み立てる時間であって、事実を確かめる時間ではありません。取材メモと確認の工程を省けば、もっと早くはなります。しかし、そうして作った原稿はどこかで見たような文章になり、誤りも残ります。時間の数字はあくまで仮定に基づく試算です。分量や業務の複雑さによって前後します。

時間を確保する方法

試算の9時間を、細切れの隙間時間で確保するのは困難です。当事務所では取材メモの3時間だけは1日にまとめて確保することを勧めています。メモさえできれば、残りの工程は1回30分程度に分けても進められます。制作の工程全体で原稿がどこに位置するかは、士業のホームページ制作期間はどれくらい?で詳しく扱っています。

まとめ

ホームページの原稿は文章のうまさではなく、ページごとに読者の問いを決めて事実で答える作業です。AIは下書きを速くしますが、事務所固有の事実と判断は代わりに書いてくれません。要点を振り返ります。

  • 原稿が止まる原因は、ページで答える問いが決まっていないこと。1ページ1つの問いに絞る
  • 業務ページは「場面→できること→扱わないこと→進め方→料金」の順で書く
  • 料金ページは金額より「変わる条件」を書く。「〇万円〜」には適用条件を併記する
  • AIには先に取材メモを渡し、下書きは事実・用語・表現の3段で確認する
  • 取扱業務の線引き・料金・代表の言葉の3か所は、事務所が自分で書く
  • 1万字規模のサイトなら、AIとの分担で原稿の時間は約15時間から約9時間に縮む試算になる

制作会社から原稿を求められて手が止まっている事務所代表の方は、まず業務ページ1本分の取材メモを箇条書きで作ってみてください。そこまでできれば、残りは型に沿って埋めるだけです。

当事務所は、自社サイトの原稿をAIと分担して書き、事実の確認まで自分たちで回してきました。その手順をもとに、原稿づくりを含めたホームページ制作やAI活用のご相談にお応えします。無料相談をご利用ください。

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鑑定評価書のAI作成から事務所のホームページ制作まで、鑑定事務所の業務に合わせた支援の全体像は不動産鑑定士のAI活用・IT支援のページでまとめています。

吉田 健人

代表取締役社長・不動産鑑定士

吉田 健人

外資IT企業でデータ分析・クラウドサービスの営業に従事した後、不動産鑑定士として独立。鑑定実務とITの両面の経験を活かし、同業の鑑定士事務所のIT化を支援している。

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