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Blog / HP戦略

士業のホームページ制作期間はどれくらい?工程別の日数と、事務所側で止まりやすい3つの作業

「ホームページを作りたい。ただ、いつ公開できるのかが読めないので、発注のタイミングを決めきれない」

士業の先生方から、費用の相談と同じくらいよく伺うのがこの悩みです。繁忙期を避けたい、開業日に間に合わせたい、支部の名簿に新しいURLを載せたい。いずれも「いつ公開できるか」が決まらないと動けません。ところが制作会社の見積書に書かれているのは「納期:約2ヶ月」といった一行だけで、その2ヶ月の中身が見えないことがほとんどです。

そして実際に着手してみると、遅れる原因の多くは制作会社の作業スピードではありません。原稿の確認が止まる、写真が用意できない、ドメインの移管手続きが進まない。つまり、事務所側の作業が待ち行列の先頭に立ってしまうのです。

本記事では、無料相談から公開・運用開始までを7つの工程に分解し、それぞれの所要日数と「どちらが手を動かす工程か」を整理します。あわせて、事務所側で止まりやすい3つの作業と、その前倒しで期間をどれだけ縮められるかをご説明します。私たち鑑定士が自社サイト群を作りながら実際に踏んだ手順がベースです。

ホームページの制作期間は「制作会社の作業日数」では決まらない

目安はLPで2〜4週間、コーポレートサイトで1〜2ヶ月

まず全体の目安です。当社の場合、問い合わせ獲得に特化した1ページ完結型のLP(ランディングページ)でおよそ2〜4週間、業務内容・代表者プロフィール・お知らせ・ブログまで含むコーポレートサイトでおよそ1〜2ヶ月を標準的な納期としています。ページ数でいえば、前者が1ページ、後者が10ページ前後を想定した数字です。

この幅が生じる理由は、ページ数の差だけではありません。原稿を誰が書くか、写真を新規に撮るか、既存サイトからの移行があるか。この3点で、同じページ数でも所要期間は倍近く変わります。費用側の構造については士業のホームページ費用相場は?価格差が生まれる理由と失敗しない選び方で詳しく整理していますが、期間もまったく同じ要因で伸び縮みします。

「制作日数」と「公開までのカレンダー日数」は別物

見積書の納期欄に書かれている数字は、多くの場合「制作側が手を動かす日数」ではなく「契約から公開までのカレンダー日数」です。この中には、事務所側が原稿を確認する日、社内で決裁を取る日、写真撮影の日程を調整する日が含まれています。

制作側の実作業だけを取り出せば、10ページ程度のコーポレートサイトは実質2〜3週間で組み上がります。にもかかわらず1〜2ヶ月と案内するのは、往復のやり取りに要する時間を織り込んでいるからです。ここを理解しておくと、「どこを短縮すれば公開が早まるか」がはっきりします。

依頼から公開までを7工程に分解する

当社の標準的な進行は次のとおりです。所要期間の目安と、その工程で主に手を動かす側を並べました。

工程所要目安主に動く側
1. 無料相談30〜60分両者
2. ヒアリング・現状診断1〜2週間制作側
3. ご提案・お見積り1週間制作側
4. ご契約1日〜事務所側
5. 設計・実装案件による制作側
6. ご確認・修正案件による事務所側
7. 公開・運用レクチャー1日〜両者

工程1〜3:相談から見積提示まで(合計2〜3週間)

無料相談で現状の課題とご要望を伺い、必要に応じて既存サイトやIT環境の診断を行います。その結果を踏まえて、構成・予算・スケジュールをご提案します。この段階はまだ費用が発生しないため、「まだ発注を決めていない」段階でも先に進めておける区間です。

ここで先生方に見落とされがちなのが、この2〜3週間は発注を決める前に消化できるという点です。公開希望日が決まっているなら、その2〜3週間分を逆算して相談を始めておくだけで、着手日が前倒しになります。

工程4〜5:契約と設計・実装

契約後、サイトマップ(どのページを作るかの一覧)とワイヤーフレーム(各ページの骨組み図)をご確認いただき、デザインと実装に入ります。当社は表示速度とサーバー費用の面からNext.js+Cloudflare Pagesの構成を標準としていますが、ご自身で頻繁に更新したい事務所にはWordPressをご提案することもあります。どちらでも実装期間に大きな差は出ません。

この工程で事務所側にお願いするのは、原稿の素材提供と、デザイン案への可否判断です。実装そのものは制作側が進めるため、事務所側の負荷は一時的に軽くなります。

工程6〜7:確認・修正と公開

ステージング環境(公開前の確認用サイト)をご覧いただき、文言・写真・料金表を確認していただきます。**全工程の中で、期間のブレが最も大きいのがこの確認工程です。**修正指示が1営業日で返ってくる事務所と、2週間かかる事務所とでは、公開日が3週間以上ずれます。

公開日には、ドメインの向き先を新サイトに切り替え、SSL(通信の暗号化)の発行を確認し、Google Analytics 4(アクセス解析ツール)とSearch Console(検索での見え方を確認する無料ツール)の計測開始を確認します。ここまでで納品です。

事務所側で止まりやすい3つの作業

遅延の実態は、ほぼこの3つに集約されます。いずれも制作会社では代われない作業です。

1. 原稿の確認と加筆

最大のボトルネックです。制作側がたたき台を書く契約であっても、業務内容・料金・実績・代表者経歴は、先生ご自身の確認と加筆が避けられません。特に料金表と業務範囲の記述は、責任の所在に関わるため他人には決められない部分です。

対策は「まとまった1〜2時間を、着手前にカレンダーへ確保しておく」ことに尽きます。細切れの隙間時間で原稿を読もうとすると、たいてい月単位で止まります。

2. 写真とロゴの手配

事務所外観、応接室、代表者の顔写真。この3点が揃わないまま実装が終わり、写真待ちで公開できない、というのは典型的な足止めです。プロカメラマンの撮影は、依頼から納品まで2〜3週間見ておく必要があります。

先に撮影日を押さえてから制作を発注する、あるいは初期はストックフォトで公開して後日差し替える。どちらかを決めておけば、この待ちは発生しません。掲載すべき要素の全体像は不動産鑑定士のホームページに必要な10の要素にまとめています。

3. ドメインとサーバーの移管

リニューアルで最も読みにくいのがここです。既存ドメインを別の会社へ移す場合、事務所側でしか行えない手続きがいくつもあります。管理会社の管理画面へのログイン、認証鍵(AuthCode)の取得、登録者メールアドレス宛の承認クリック。管理画面のIDとパスワードが分からない、登録メールアドレスが退職した職員のものになっている、というケースは珍しくありません。

さらに、gTLD(.comや.netなど)にはICANN(ドメイン名の管理を行う国際的な非営利団体)の移転ポリシーによる制限があり、ドメインの新規登録直後や登録者情報の変更直後の60日間は、他社への移管ができません。この60日は誰にも短縮できないため、該当してしまうと公開日そのものが動きます。

なお、移管せずにDNS(ドメインとサーバーを結び付ける仕組み)の設定変更だけで新サイトへ切り替える方法もあります。多くのリニューアルではこちらで足ります。移管が本当に必要かどうかは、着手前に制作会社へ確認してください。

想定されるケース:同じ内容でも公開日が1ヶ月ずれる

10ページのコーポレートサイトを新規制作する2つの事務所を比べます。ページ数も要件も同一とします。

A事務所(準備を前倒し) 契約前に写真撮影を済ませ、ドメイン管理画面のログイン情報を確認済み。原稿確認のために週1回2時間をカレンダーで固定。結果、契約から公開まで約5週間。

B事務所(着手後に対応) 契約後に撮影会社を探し始め、原稿は業務の合間に確認。さらに既存ドメインの認証鍵取得に手間取る。結果、契約から公開まで約9週間。

差は約4週間です。この差は制作費には表れませんが、公開が1ヶ月遅れれば、その1ヶ月分の検索流入と問い合わせが丸ごと失われます。集客記事は公開後に検索エンジンへ評価されるまで時間がかかるため、公開日の前倒しはそのまま成果の前倒しになります。この点は士業のホームページで集客できないのはなぜか?でも触れています。

期間を縮めるために発注前にできる4つのこと

  1. 公開希望日から逆算して相談を始める:相談から見積提示までの2〜3週間は無料で先に消化できます。
  2. 写真の方針を先に決める:撮影するなら日程を先に押さえる。当面ストックフォトで進めるなら、その旨を要件に含める。
  3. ドメインとサーバーの契約情報を棚卸しする:管理会社名、ログイン情報、登録者メールアドレス、有効期限の4点を確認しておく。
  4. 原稿確認の時間をカレンダーに固定する:週1回2時間の枠を、着手前にブロックしておく。

この4点を発注前に済ませておくだけで、体感として1ヶ月前後は変わります。逆に言えば、制作会社を「速いところ」に変えることで縮まる期間は、ここで縮まる期間より小さいのが実情です。

まとめ

ホームページの制作期間は、制作会社の腕前より、事務所側の準備で決まります。工程を分解して「自分が手を動かす区間」を先に潰しておくことが、最も確実な短縮策です。

要点を振り返ります。

  • 納期の目安はLPで2〜4週間、コーポレートサイトで1〜2ヶ月。見積書の納期は制作日数ではなくカレンダー日数
  • 工程は無料相談から公開まで7段階。相談から見積提示までの2〜3週間は発注を決める前に消化できる
  • 期間のブレが最も大きいのは、事務所側による原稿確認・修正指示の工程
  • 止まりやすいのは「原稿確認」「写真とロゴの手配」「ドメイン移管」の3つ
  • gTLDは登録直後や登録者情報の変更直後の60日間、ICANNの移転ポリシーにより移管できない
  • 発注前の4つの準備で、同じ要件でも公開日は1ヶ月前後変わる

開業日や繁忙期に合わせて公開日を決めたい士業事務所の代表の方は、まず制作会社を探す前に、ドメインとサーバーの契約情報の棚卸しから着手することをおすすめします。無料でできて、最も遅延を減らす作業です。

制作スケジュールの具体的なご相談は、士業事務所を自ら経営し、自社サイト群を自ら運用している立場からお応えします。無料相談をご利用ください。

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吉田 健人

代表取締役社長・不動産鑑定士

吉田 健人

外資IT企業でデータ分析・クラウドサービスの営業に従事した後、不動産鑑定士として独立。鑑定実務とITの両面の経験を活かし、同業の鑑定士事務所のIT化を支援している。

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