はじめに
「インストールまではできた。黒い画面が開いた。……で、何と入力すればいいのか」
Claude Code(クロードコード:生成AIが自分のパソコンのフォルダを読み書きして作業する「エージェント型」のツール)を導入した方が最初につまずくのは、技術ではなく声のかけ方です。チャット型AIと違い、こちらは「作業を頼む」道具なので、頼み方に少しだけコツがあります。
本記事では、導入直後の30分で何をすればよいかを、当社が実際に新しく使い始めるときの手順そのままにご紹介します。プログラミングの知識は一切不要です。
第1章: 起動と最初の声かけ
Claude Codeは、作業したいフォルダで起動するのが基本です。たとえば案件資料のフォルダで起動すれば、その中のファイルが作業対象になります。
起動したら、最初はこう話しかけてみてください。
「このフォルダに何が入っているか、教えて」
普通の日本語で構いません。Claude Codeがフォルダの中身を確認し、ファイルの一覧と概要を返してきます。この「相手がこちらのファイルを見られる」という感覚をつかむことが、最初の一歩です。
もう一つ覚えておきたいのは、分からなければAI本人に聞けばよいということです。「あなたは何ができるの?」「この頼み方で伝わる?」と聞けば答えてくれます。取扱説明書は相手の中に入っています。
第2章: 頼み方の基本形
当社が社内で共有している基本形は、次の3点セットです。
やってほしいこと + 対象ファイル + 成果物の形
例を挙げます。
「見積フォルダのExcelを全部読んで(対象)、案件名・金額・日付を抜き出して(やってほしいこと)、1枚の一覧表にしてExcelで保存して(成果物の形)」
3点のうち初心者が忘れがちなのは「成果物の形」です。表なのか文章なのか、画面に出すだけかファイルに保存するか。ここを言わないと、意図と違う形で返ってきて「使えない」と感じてしまいます。逆に、この3点さえ揃えば、細かい言い回しは気にしなくて大丈夫です。
第3章: 最初の30分の練習3つ
実務データでいきなり試す前に、失敗しても困らない題材で3つ練習することをおすすめします。
練習1: ファイル一覧を表にする(5分)
「このフォルダのファイル名・種類・更新日を表にして」
自分のフォルダがどう見えているかが分かり、整理されていないフォルダの棚卸しにもなります。
練習2: PDFを3行で要約する(10分)
公開資料など、機密でないPDFを1つ用意して頼みます。
「このPDFを読んで、要点を3行で教えて」
読ませて・要約させて・自分で原文と突き合わせる。この「検証までが1セット」の感覚を最初に身につけます。
練習3: 簡単な一覧表を作らせる(15分)
複数ファイルからの情報の抜き出しと整形を体験します。
「このフォルダのPDFから、日付と金額を抜き出して一覧表にして。読み取れないものは空欄にして『要確認』と書いて」
「読み取れないものは空欄に」という一言が実務では重要です。AIに推測で埋めさせない指示を、練習のうちから癖にしておきます。この延長線上に、当社で取引事例の整理が180分から30分になった実務活用の実例があります。
第4章: 最初からやってはいけないこと
機密データをいきなり投入しない
依頼者の個人情報や案件の機密資料は、練習段階では使わないでください。まず公開資料や自作のダミーデータで慣れ、事務所として学習オフ設定(Claudeの有料プランでは入力データを学習に使わせない設定が可能です)や入力ルールを整えてから、実務データに進みます。
検証を省略しない
最初の数回で「思ったよりできる」と感じると、つい出力をそのまま使いたくなります。しかしAIの出力には誤りが混ざり得ます。数値は原資料と突合する、要約は原文に当たる。検証してはじめて成果物という原則は、慣れてからも変わりません。
なお、どの業務から実務投入するかの選び方は最初の1業務の選び方で詳しく解説しています。
まとめ
- 最初の声かけは「このフォルダに何が入っているか教えて」でよく、分からないことはAI本人に聞けます
- 頼み方の基本形は「やってほしいこと+対象ファイル+成果物の形」の3点セットです
- 練習はファイル一覧・PDF要約・一覧表作成の3つから始め、機密データ投入と検証省略は最初からやらないと決めておきます
最初の30分を伴走してほしい、事務所のルール整備から始めたいという方は、無料相談からお気軽にご相談ください。無料資料「鑑定士のためのAI活用入門」もこちらからダウンロードいただけます。
