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GA4の見方は5つの指標で足りる — 士業サイトがサーチコンソールと合わせて毎月見る数字と点検手順

GA4の見方は5つの指標で足りる — 士業サイトがサーチコンソールと合わせて毎月見る数字と点検手順

「GA4(Googleアナリティクス4:Googleが無料提供するアクセス解析ツール)は入れたものの、画面を開いても何を見ればよいか分からない」。士業事務所の代表の方からいちばん多くいただくのがこの声です。結局ユーザー数を眺めて閉じてしまう。珍しいことではありません。

結論から申し上げます。士業サイトで毎月見る数字は、GA4とSearch Console(サーチコンソール:Google検索での表示・クリックを分析する無料ツール)を合わせて5つに絞れば足ります。しかも最初に見るべきはGA4ではなく、Search Consoleの「検索クエリ」です。順位やアクセス数より先に、どんな言葉で探されているかを確かめる。これが数字を問い合わせにつなげる出発点です。

本記事では、私たち鑑定士が自社で複数のサイトを運用しながら実際に追っている5つの指標と、その見方・点検の手順を整理します。新しい有料ツールは必要ありません。

GA4とサーチコンソールは役割が違う

サーチコンソールは「クリックの前」、GA4は「クリックの後」

2つのツールは見ている範囲がまったく違います。Search Consoleが分かるのは、Google検索の結果にあなたのサイトが何回表示され、何回クリックされたかまでです。GA4が分かるのは、サイトに入ってきた人がどのページを読み、問い合わせまで進んだかです。

見つけてもらえていないのか、読まれていないのか、問い合わせにつながっていないのか。この3段階のどこで詰まっているかは、2つを組み合わせて初めて切り分けられます。

数字を見て終わる事務所に共通すること

アクセス解析が続かない事務所には共通点があります。「この数字が動いたら何をするか」を決めずに画面を開いていることです。ユーザー数が1割減っても、それだけでは記事・タイトル・フォームのどれを直すべきか分かりません。

見る指標を、打ち手と1対1で対応するものだけに絞る。これが本記事の考え方です。

士業サイトで追う最低限の5指標

5指標の一覧

当事務所が毎月確認している指標は次の5つです。

指標ツール何が分かるか動いたときの打ち手
① 検索クエリSearch Consoleどんな言葉で探されているか記事テーマ・見出しの見直し
② ページ別の表示回数とCTRSearch Console見つけられているのに選ばれていないページタイトル・説明文の改善
③ 流入経路別のセッションGA4検索・紹介・直接訪問の比率検索以外の導線の強化
④ 入口ページ別のエンゲージメント率GA4読まれずに離れているページ冒頭の改稿・内部リンク
⑤ 問い合わせ数(キーイベント)GA4最終成果フォーム・導線の見直し

CTR(クリック率)は、検索結果に表示された回数のうちクリックされた割合です。セッションは、サイトを訪れてから離れるまでの一連の閲覧を1回と数える単位です。

順位より先に検索クエリを見る理由

多くの方がまず気にするのは検索順位です。しかしSearch Consoleの平均掲載順位は、表示されたすべての検索語句の順位を平均した値です。狙っていない語句で50位に表示された分まで平均に混ざるため、サイト全体の平均順位が上下しても、意味のある変化かどうか判断できません。

一方、検索クエリの一覧を見れば、依頼者が実際に使っている言葉が分かります。「相続 不動産 評価」を狙って書いた記事が、実際には「共有名義 解消 費用」で表示されていた——こうした発見は順位の数字からは得られません。当事務所でも、各サイトの記事テーマは過去90日分の検索クエリを見て決めています。

サーチコンソールの使い方 — クエリとページの2画面だけ見る

「検索パフォーマンス」で期間を3か月にしてクエリを並べる

左メニューの「検索パフォーマンス」を開き、期間を「過去3か月間」にします。「クエリ」タブで表示回数の多い順に並べ、上位20語を眺めてください。業務と関係のある語句なのに、正面から答えるページが無いものがあれば、それが次に書くべき記事の候補です。

「ページ」タブで表示回数が多いのにCTRが低いページを探す

次に「ページ」タブに切り替え、表示回数とCTRを並べます。表示回数が多いのにCTRが1%を切っているページは、検索結果には出ているのに選ばれていないページです。多くの場合、原因はタイトルと説明文にあります。検索した人の疑問にそのページが答えていることが、タイトルの前半で伝わるように書き直します。

Search Consoleのデータは16か月分まで

Search Consoleで遡れるのは過去16か月分です。前年同月との比較をしたい場合は、この範囲内で行ってください。季節性のある業務は、前月比ではなく前年同月比で見るのが基本です。

GA4の見方 — 流入経路・エンゲージメント率・問い合わせ数

「トラフィック獲得」で流入経路の偏りを見る

GA4では「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開きます。検索(Organic Search)、直接訪問(Direct)、他サイトからの紹介(Referral)などの経路別にセッション数が並びます。検索が8割を超えている場合、検索順位の変動がそのまま問い合わせの増減になります。紹介元の士業や既存顧客からの流入を育てる必要がある、というサインです。

エンゲージメント率は「読まれたか」の目安

エンゲージメント率は、セッションのうち「10秒以上継続した」「キーイベントが発生した」「2ページ以上閲覧された」のいずれかを満たした割合です(Googleアナリティクス ヘルプ「エンゲージメント率と直帰率」)。「エンゲージメント」→「ランディングページ」で、入口になったページ別に確認します。

ほかのページより明らかに低いページは、検索した人の期待と冒頭の内容がずれている可能性があります。結論を冒頭に移す、関連する記事への内部リンクを置く、といった改稿で対応します。

問い合わせ完了をキーイベントに設定する

最終成果である問い合わせ数は、GA4に教えないと数えられません。問い合わせフォームの送信完了ページ(例: /thanks)の表示を、キーイベント(成果として数える操作。2024年に「コンバージョン」から名称変更)に設定します。これで、どの経路・どの入口ページから来た人が問い合わせたかが分かるようになります。フォーム自体の設計は問い合わせフォームの項目を減らすと問い合わせは増えるのか?で扱っています。

数字を問い合わせにつなげる月1回の点検

想定されるケースで打ち手の効果を試算する

具体的な数字で考えます。ある事務所の相続関連の記事が、Search Consoleで月3,000回表示され、平均掲載順位6位、CTR0.8%だったとします。クリックは月24回です。タイトルを検索者の疑問に合わせて書き直し、CTRが2.0%になれば、クリックは月60回です。サイト全体の問い合わせ率(問い合わせ数÷セッション数)が1.5%なら、問い合わせは月0.36件から0.9件へ増える計算になります。

記事の全面改稿より、タイトルの書き換えのほうが手間は圧倒的に小さい。5指標を見る意味は、こうした「小さな手間で効く箇所」を見つけることにあります。

母数の小さい数字で判断しない

ここで注意すべきは、数字の母数です。月のクリックが20回のページで、CTRが0.5ポイント上下しても偶然の範囲です。私たち鑑定士の仕事でも、不動産鑑定評価基準は取引事例比較法について、まず多数の取引事例を収集し、そのうえで適切な事例を選択することを求めています。少ない事例だけで価格を判断しないのと同じで、アクセス数も3か月程度の期間をまとめてから判断するほうが確かです。

点検は月1回、30分で終える

当事務所では、月初に次の順で点検しています。Search Consoleのクエリ上位20語の確認、CTRの低いページの洗い出し、GA4の流入経路とキーイベント数の確認。ここまでで30分程度です。毎日画面を開く必要はありません。変動の原因の切り分け方はGoogleコアアップデートで順位が落ちたら?も参考にしてください。

最初に済ませておく3つの設定

データ保持期間を14か月に延ばす

GA4の詳細なデータの保持期間は、初期設定では2か月です。「管理」→「データの収集と修正」→「データ保持」で14か月に変更してください。2か月のままだと、前年同月との詳細な比較ができません。

GA4とSearch Consoleをリンクする

GA4の「管理」→「サービス間のリンク設定」からSearch Consoleとリンクすると、GA4の画面上で検索クエリとサイト内の行動を並べて見られるようになります。

事務所内からのアクセスを除外する

小規模なサイトほど、自分たちの閲覧が数字を歪めます。事務所のIPアドレスを内部トラフィックとして定義し、除外するフィルタを有効にしておきます。

まとめ

GA4とSearch Consoleは、見る数字を増やすほど使われなくなります。打ち手と対応する5つの指標に絞り、月1回確認するだけで、アクセス解析は問い合わせを増やすための道具になります。

要点を振り返ります。

  • Search Consoleは「クリックの前」、GA4は「クリックの後」を見るツールです
  • 最初に見るべきは順位ではなく、どんな言葉で探されているかという検索クエリです
  • 表示回数が多いのにCTRが低いページは、タイトルの書き直しが最も効率のよい打ち手です
  • GA4では流入経路、入口ページ別のエンゲージメント率、キーイベントとしての問い合わせ数を見ます
  • 母数の小さい数字で判断せず、3か月程度をまとめて見ます
  • データ保持期間の延長、Search Consoleとのリンク、内部アクセスの除外は最初に済ませます

分析ツールを入れたものの活用できていない事務所代表の方は、まずSearch Consoleで過去3か月の検索クエリ上位20語を確認するところから始めてください。自事務所が想定していなかった言葉が、次の記事のテーマを教えてくれるはずです。

アクセス解析の設定や、数字をもとにしたサイト改善のご相談は、鑑定事務所が自社のサイト群を運用しながら積み上げた経験をもとにお応えします。無料相談をご利用ください。

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吉田 健人

代表取締役社長・不動産鑑定士

吉田 健人

外資IT企業でデータ分析・クラウドサービスの営業に従事した後、不動産鑑定士として独立。鑑定実務とITの両面の経験を活かし、同業の鑑定士事務所のIT化を支援している。

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